今回の写真は、先月紹介した、BALDAXETTEⅠで撮った写真をデジタル化しています。
アナログ取り巻く環境はますます、悪くなっていますが…。そんなに気に病むことは無いと思います。
カメラを写真機と考えるなら、戦前、70年前にはほぼ完成の域に入っていたと言うことができます。その証拠と呼べるものが今回上げた画像です。この写真を撮った環境はそれほど良いものではありません。タングステンのライト800ワットを1本とレフ版の補助を起こしただけで、極端にコントラストの高い状態です。残念ながらデジタル化の段階でコントラストが上がってしまい、プリントの豊かな諧調は再現できていませんが、それでも、元の写真の素性のよさは十分伝わると思います。もちろん、古いカメラやレンズを使うに当たって、撮影者には多くの負担や技術、知識を要求されますが、その部分が写真を撮ると言う行為の醍醐味でもあるはずです。シャッターを切ればなんとなくこましな画像が撮れてしまうこの頃ですから、反対に手間をかけた写真をもっと発表してもいいのではないでしょうか。もちろんその発表はデジタルモニターで済ませるわけにはいきません。生のアナログ処理された本物の写真の存在意義はますます大きくなっていると感じています。